日常の鬱憤をここに

塾と学校2

 さて、本題です。
 (私が公立の中学校で勤務していたことを踏まえて理解してください)

 塾は会社のような考え方で、児童生徒が何人優秀な学校へ送り込むことができたか競います。東大に〇〇人合格という宣伝文句を武器に戦います。決して、不合格者の人数を公表することはないでしょう。そして、その宣伝文句によって更なる集客を狙っていくことでしょう。ざっくりいえば、児童生徒の進学先は、塾にとっては「お金」を運んでくれる材料になるため、多少リスクはあったとしても、有名な学校への進学を促すことが多い印象です。
 
 一方で、学校では、「児童生徒のやりたいこと、将来を考えて、自分の進路は自分で考えよう」というスタンスです。こちらは、「児童生徒や保護者に〇〇学校はどうですか?」と提案することはありません。学校が責任を負わないようにするためにも、家庭から出てきた進路希望は基本的にそのまま受け取ってしまいます。

 こういった現実があるため、学校より塾に期待や信頼を置く人が増えていく現実は少しわかる気がします。結局、進路をあれこれ考えるより、有名な学校や偏差値の高い学校へ行けば安心という発想が私たちの根底にあるからです。

 「学力の高い人が優秀だ」という謎の意識が私たちの根底にあるからこそ、今の不思議な日本の教育が生まれていると思います。確かに学力は大切なものだと思いますが、日本独自のことを考えず、諸外国での実践を模倣するだけの日本の教育では学力が高くなることなど到底ありません。
 
 なかなか大人の意識を改革することはできませんが、20年30年計画で日本の進学に対する意識の変化を望まない限り、日本の教育に大きな進歩が訪れることはないと思います。皆さんはいかが思いますか?

2021/6/12